婚活の読みもの

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普通のダンナがなぜ見つからない? (西口敦著) ★★★★


2011年に出版された本で、当時著者の西口敦さんは楽天オーネット株式会社のマーケティング部長だったそうです。(現在は個人事務所を開設して講演などを行っている模様)

社会学者やコラムニストみたいな人が書いた婚活本は多いのですが、サービスの内側にいる人が自社サービスの宣伝目的ではなく書かれた物は珍しいと言いますか、他に無いと思います。

※公式の紹介文
□モテないわけではないんです。
□外見も内面も、女磨きを怠りません。
□結婚あ相手に、高望みはしていません。
3つにあてはまるアナタは、最も、結婚できないタイプかもしれません。

「普通のダンナがなぜ見つからない?」は多くの婚活本と同じく女性向けに書かれた本で、前半は高望みしないで現実を見なさい、後半はいつまでも受け身でいないで積極的に自分からアプローチしなさいと言う内容になっていて、前半で書かれている「普通の男性を希望する事が高望み」と言う事は、今となっては散々言われていますが、この本が出版された当時にはまだまだ斬新な意見で、そこからベストセラーとなりました。

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女性向け

読む価値があるのは「Step 1 現状認識篇 婚活マーケットのホラーな数字」だけで、「Step 2 実践篇 問題解決のヒント」は婚活本でよく見かける、ありふれた内容になっています。

多くの婚活本が女性向けばかりになってしまうのは、高望みや受け身は意識次第で変えれるけど、男性の年収アップや容姿やコミュ力をまともにするのは本を読んだだけでは変えれないと言う考えを皆が持っているからなのでしょうか?

それとも結婚が必要なのは女性なので、婚活に対しての本を出版する場合、女性向けにしないと売れないからなのでしょうか?(男性向けの場合、婚活本と言いますか、モテる為のマニュアル本みたいになっている物が多いです)

pick up

P.18
3000万円で買ったマンションが、相場下落や経年劣化で、どこの不動産屋に聞いても今は「1000万円」に値下げされて取引されているとする。
急いで売らないといけない事情があって、時価「1000万円」よりもさらに安い500万円で売る。これはたしかに「妥協」である。だって、世の中の価格よりも安いんだから。
でも、このマンションを、市場どおりの「1000万円」で売って2000万円の損が出るのは妥協とは言わない。現実のフェアバリュー(適正価格)に収斂しているだけの話である。

婚活における妥協の説明として、とてもわかりやすい例えで、自分が妥協して交際してる相手が、本当の意味で釣り合った相手という事です。

P.30
たとえば同じ価値観が醸成されるには、前提として、似たような生活レベルでなくてはいけないのである。外資の人事の担当者が、「TOEICの点なんて、どうでもいいですよ。英語で毎日メールのやりとりができて、インドとニューヨークの英語の電話会議を仕切ってくれさえすれば問題ないですから」と言うのと似たようなものである。

婚活している人が「価値観が同じ人ならば、年収や勤務先は気にしません」と言う人を、外資の人事担当者に例えていたのもわかりやすかったです。

年収や勤務先(TOEICの点数)は気にしませんと言いながら、それが無いと出来ない物を望むと言う、謙虚に見せかけた高望みです。(外資の人事の人は高望みではないですが)

婚活における「価値観が同じ人が良い」は、結婚しても生活水準の下がらない、むしろ上げてくれる人を望む時に使う言葉で、自分よりも高学歴、高収入なだけでなく、話していて楽しい人などを求める時に無意識に使ってしまう言葉なんです。

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