コンカツ? (石田衣良著) を読んだ ★★★
2017/08/16
コンカツ?は2012年4月と言う婚活ブームの初期に発表された作品になります。
仕事はバリバリ、スタイルだって顔だって悪くないのに、なぜか恋愛がうまくいかない29歳の岡部智香。
あだ名は、デートでいいい雰囲気になっても最後までいけない”ヤリスン”。
仲良しアラサー4人組、理想の結婚を目指して合コンをくり返すのだが・・・。
働く女性たちのリアルな泣き笑いを描く婚活エンタメ決定版!
読んだら婚活に対するモチベーションが上がる様な作品だと期待したのですが、そんな事は全くありませんでした。
過去に石田衣良さんの作品「波のうえの魔術師」を読んだ時は株式投資をやってみたいと思う様になったのですが、今回は婚活を否定して恋愛結婚を勧める様な内容になっていたので、逆の効果になっていまいそう。
終始「スペックが良い男はすでに結婚している。たまに出会う事は出来るけど、そういう男は恋愛対象にはならないスペック以外の魅力が無い人ばかり。」と、婚活しても無駄という事を伝えようとしてくる。
心地よいテンポで物語は進んでいくので面白くスラスラと読めますし、「もっと出会いに積極的になった方がいいか。」「恋愛を楽しんだ方が良いかも」と言う気持ちにはなれるかもしれませんが。
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連発する格言
耳の痛く案る様な言葉を連発してくるのですが、普通に言われるのと違って、物語の進行に合わせているので納得しやすい様な気がします。
P.38
「わたしさあ、男の人ってひとつおおきな勘違いをしてると思うよ。みんな自分の自信のあるところをやたら強調するでしょう。あれがもう女にはダメなんだよね」
合コンの後で主人公の女性が言った言葉ですが、心当たりのある男性は多いのではないでしょうか?
モテない自分に自信の無い男性程自慢話を無意識にしてしまっていますよね。
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P.55
「問題は、すぐにお嫁さんになりたいっていうような女の子を、ぼくが好きじゃないってことなんだ。岡部さんみたいに、ちゃんと仕事をもって、男に負けずに働いている女の人。そういう人の方が好みだよ」
これはイケメン&高学歴&家柄間良し&大手商社勤務の男性のデート中の言葉です。
スペックの良い男性が好きと言いますか、結婚を考える男性と言うのはスペックの良い女性を選ぶ傾向があるので、所謂玉の輿は余程の美人でない限りほとんど起こらないのです。
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P.68
「朝野です。ぼくは定年退職する六十歳までに、子どもの大学教育を終わらせたいので、まじめにお相手を探しています。よろしくお願いします」
主人公が参加した婚活パーティーに居た三十四歳の公務員男性の言葉です。
男性は年収さえあれば何歳で結婚できる、子どもを持つ事が出来ると考えている人もいるみたいですが、女性と同じように限界年齢と言うのはあるのです。
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P.76
「じゃあ、お見合いパーティーって、誘えない男と待ってるだけの女で大繁盛しているわけですか」
婚活パーティーの主催者から成婚率が低いと言う話とその理由を聞いた時の主人公の反応です。
草食化した男性といつまでもお姫様扱いされたい女性が売れ残り、ガツガツ積極的に行ける人は結婚できているのが現実なのです。
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P.90
「だけどさあ、今日一番ショックだったのは、あの男たちじゃないんだ。自分では気づかなかったけど、女としての商品価値はじりじり落ちていたんだよね。男四人とも、二十九歳のわたしたちには目もくれなかったでしょう」
合コンで低スペックの男性達にまったく相手にされなかった時に主人公が言った言葉です。
頭では理解していても、ショックな体験が無いとなかなか事実として向かい合えないですよね。
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P.101
不思議なことだが、自分からすすんでおかしな男とばかりつきあう女は数多かった。そうした女性に共通するのは、決して過去の手痛い経験から学ばないことで、自分とつきあえば相手が変わると信じているのだ。人は恋愛によっては変わらない。
恋愛に関わらず、何をするに於いても相手に変化を期待してはいけません。
成長はあっても変化は絶対に無いのです。
P.175
女の場合、いまだになにかができないとか、なにかをしらないということが、切り札として有効なのだと、智香は思った。
女性よりも強い立場でいたいと言う男性はまだまだ多いですし、結婚のきっかけを作るには良い手段ではあると思います。
大昔の話になってしまいますが、性行為をしたいから結婚していたという男性も多かったと思います。
P.189
「でも、三十代も半ばになると、人を見る目も肥えて、自分が男性に厳しくなっているのがわかるんだ。いろいろ迷ってるうちに、だんだんと掛け金があがってきてしまった。一発逆転ですべてのマイナスをとり返せるような相手じゃないと、自分にも周囲にももうし開きできないというか」
この気持ちは理解できるのですが、目が肥えるのと反比例して自分の価値は下がり続けていきます。
目が肥えている事を自分の素晴らしい能力みたいに思っているのが痛々しいです。
P.283
「もちろんよ。だって小金をもってる男って、鼻もちならない馬鹿が多いの。自分はこんな仕事をした。あれもこれも全部自分がやった。散々えばり散らして、ききたくもない自慢話を何時間もきかせたうえに、お茶代は割り勘とかね」
モテない男の自慢話の話題は2回目です。
本当に女性にうんざりされているんでしょうね。
P.285
やはり男の魅力は総合力だった。豊かなだけでも、知識があるだけでも、センスがいいだけでもいけない。思いやりや共感する力、人として望ましい数々の資質が思い浮かぶ。それはすべて掛け算で、どれかひとつが完璧に欠けてしまうと、こたえはゼロになってしまうのだ。
欠点の無い男性なんてほとんどいないのが現状なのにこんな事を言ってる女性はとても多いんですよね。
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「?」の意味は何なのか
この小説は婚活を否定する要素があり、好きと言う感情が経済力などのスペックよりも重要視されるべきと言った部分を度々見かけます。
しかし結婚と言う制度がある以上現実的では無いですし、何よりロマンスを感じられる男性なんて全体の2~3割程度しかいないので、結婚できない男女が大量発生してしまいます。
男性にもっと頑張って魅力的な男になれという表現が出て来るのですが、女性側こそ他の人も良いと思った人でないと安心して好きになれないと言う部分を改善する必要があるのではないでしょうか?
「コンカツ?」と言うタイトルにつけられた「?」の意味は「コンカツってなんだろう?」では無くて、「コンカツって意味あるの?」の「?」だった様に感じましたが、現実では意味のある物にしていかないといけないのではと思います。
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